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女性の生き方 in ドイツ7

親子

 

今回は働くママをご紹介します。

これまでも、家事と育児、そして自分らしい生活を創るため、
賢くバランスを取る女性達を、ご紹介してきました。

そして今回の女性は、さらに具体的に、
ある秘策を使って上手に両立させています。

Jさんというその彼女は、公立校の先生です。

先生としては、夏休みを始め、一般に長めの休みがあったり、
あるいは、日本とちがい、ドイツでは課外活動などもなく、
生活指導的な役割を期待されるわけでもないそうで、
授業などもお昼過ぎには終わる、こちらの学校での教職は
両立にはもってこいの職業かもしれません。

が、それでもやはり、身近に子供を頼める人がいない場合など、
工夫をする必要もあります。

そして現在小学校低学年の息子を持つJさんが探した
その秘策とは・・・

オーペアと呼ばれる
たとえば中国からとかいろいろな国からの主に若い人で、
こちらドイツ暮らしを体験しながら、家庭のお手伝いをする人達。
その人をヘルプとして入れることです。

Jさんのおうちに来たのは、中国からのとても素敵な可愛らしい子で、
とても柔和で好感のもてる少女でした。

ドイツの家庭で、ドイツ語で会話して、普段の生活スタイルを見る機会は、
若い人にとってもとても得がたい機会だと思いますし、
そういう、将来を見据えた経験を得たい若い人のニーズと合致して、
どちらも win win の良いシステムだと思います。

Jさんのところでは、そのオーペアの子が来る前に改築して、
3階の部分にシャワー室をしつらえ、
彼女が過ごしやすい配慮もして、迎えていました。

そしてそのオーペアがすることはどういうことかというと、
細かいところは、その家庭によるのでしょうが、
主に子供の送り迎えや、Jさんのように働く女性のサポートとして、
ママがいない時の子供の面倒や相手をすることです。

ですから、オーペアとして滞在しながら、
ドイツ語学校に通ったり、自由時間もありますので、
その後の人生のキャリアなどにも、とても役に立つと思います。

Jさんのところの中国から来た彼女も、
夕方にドイツ語コースに通っていました。

そしてドイツ人は一般的に、合理的な思考をしますので、
家庭に人を入れるということも、みながするわけではありませんが、
必要なことと割り切って、上手に活用していると思います。
お掃除などを他の人に頼む感覚と同じかなと思います。

その点、日本人にとっては、家庭に他の人を入れることが
容易ではないかもしれないと思うのですが、

長い人生のある時点で、キャリアを中断したくない女性にとっては、
そういう風に割り切って、win win で必要なシステムを使ったり
柔軟に考えることは、とても必要なことかなと思います。

ほぼ1年経つと、そのオーペアの期間は終わり、
また必要ならば、派遣してくれる協会から
また別の人を紹介してもらえるそうです。

そして親にとってだけではなく、子供にとっても
家庭に親以外の、色々学んだり刺激を受ける存在がいることは、
とてもよいことではないかなと思います。

異文化を学ぶという観点からもいいアイデアですね。

人生を上手に望むようにクリエイトする際に、
時には合理的思考も使って、柔軟に受けいれたり、外に開いたりもしながら、
自分らしい暮らしを創るということ。

そんなことを、私自身もJさんを見ていて学ばせてもらいました。

また、現在の住まいのお隣さんも、ギムナジウムへ行きだした
息子さんを持つファミリーですが、

銀行員として働く彼女のワークスタイルは、半分ほど働くというもの。

週に3日ほど働いて、家事や子供の世話などと上手にバランスさせています。

また夏休みなどの長期休暇も、ご主人と上手に連携して取っているようです。

彼女の場合は、上のJさんと違い、ご家族からのバックアップも
期待できるため、
たぶんJさんより、そのあたりはかなり楽だと思います。

双方のご両親も近くにお住まいのため、サポーターとしてかかわってくれるからです。

いずれにしても、子育てと仕事を両立するには、
そのママだけの奮闘だけが頼りなのではなく、
実際的な外部からの必要なサポートを得て行く。

これは当たり前のこととして、
現実的なドイツ女性は考えていると思います。
また社会も、夫側も、普通に女性の役割や負担を
当然として肩代わりしたりサポートするという姿勢があるのです。

今まで子育ては、女性の役割と固定されてきたことが続いてきていますが、
けれど現代では、その役割だけに収まるのではなく、
自分ライフを生き生きと生きながら、
いろいろな要素で人生を豊かにしたい、輝きたい。

その女性の声がとても挙がってきている時だと思います。

女性は次世代を育てつなげて行く、大切な存在でもありますが、
子育ても、女性だけに押し付けるのではなく、
また、ギリギリまで精神論だけで追い込むのでもなく、

より大きなサポートの中でなされることが大切。

そのあり方は、実は女性だけではなく社会も家族も、長い目で見た恩恵を
たくさん受け取れるのだと思います。

また、何が実際、子供とその親たちをサポートするのか?
ということでは、

たとえば、こちらの学校にはPTAというものはまったくないそうですが、
それで機能していない、困ったということもないようなのです。

ですので、今まで機能していたものでも、
現代のライフスタイルに合わなくなっているものは、より今ヴァージョンにするなど、

視野の拡大や刷新も必要になって来ると思います。