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2020-05-06

即効性のあるものの功罪

時代は「速く」「努力なく」ゴールやお得が得られる。
こんな望みの声も多く、ここに随分と傾いていた昨今だったのではないかなと
思います。

確かに、どなたかの心にアピールするとなると、耳障りの良い言葉で、
最短で間違いなく、もれなく何か素敵なものが手に入る。
こうアピールできたなら、欲しいスイッチを押して購買も後押しします。

大切なものは目に見えないし、即席で出来上がるものではないかも

けれど、そんなに即席で、特に何か大切なものが手に入るのでしょうか。
という、ある意味当たり前の問いを、改めて考えなくてはならないということ、
そして、それを問うというそのこと自体がすでに変なのではと思ってしまいます。

地味なこと、ちゃんと努力をしましょうねということは泥臭かったり、
魅力的には映らないというのもわかります。
誰しも長い土台作りなど忘れて、お花が咲いたことだけ考えたいですから。

けれど、ガーデニングをやっていると思うのは、
人間が努力できることは、土台作りくらいだなということです。
後は、自然に種の力で運ばれ、お花は時期が来たなら咲き、
そして実がつきます。

人間が努力できる段階が、土作りや、雑草抜き、剪定くらいだとすると、
実は人生で向き合わなくてはならないポイントも見えて来るようです。

・種が育ちやすい土壌をつくる

・雑草をこまめに抜いて、ちゃんと育てたいものに栄養が回るようにする

・伸びすぎたものは切って、伸ばしたいところに力が集中するようにする

植物を育てていて、一番恵みだなと思うのは、そのサイクルを見せてもらえる、
そのことが一つあります。

もちろん、美しいお花も、おいしい実もうれしいですが、それ以上に、
季節ごとの変化、そして一巡してまた命が始まること、
いつも変化の中でありのままの姿であること・・・
すべての様相で、神秘的な命のエッセンスを見せてくれているように思え、
大切な人生レッスンを受けさせてもらっているように感じます。

お花が咲くのも、それなりの準備と時を経て、ベストな時に、
種に組み入れられていたものが咲く。
実も花が咲かなければつかないし、それからも栄養を送らなければ
おいしい実にはならない。
冬、葉っぱが枯れなければ、根っこが深く張れなくて、肝心の成長の土台、
根の力が育たない。

新緑やお花や実といった、華々しかったり目にうれしいものばかりではなく、
その背後で働いてくれているものの力あってこその、
表面に出て来る美と成長です。

人生で何かが欲しい時、すぐ欲しい、簡単な方法で欲しいとつい思ってしまう時
人間としてはそう思ってしまうことも、私自身含め仕方がないですが^^、
ちゃんと一歩一歩も大事だよねと、
小さな地味なことも大切に、進んでゆけたら良いなと思います。

シャワーの時の気づきから整理する

実はこんなことを考えたのも、シャワーの中です。
シャワーの時間はひらめきが降り易いですが、シャンプー後の
コンディショナーについて考えていました。

有機的なあまりケミカルが入っていなくて、でもその分即効性が
ないものをつけるか、
あるいは、少量でも髪の毛を潤すかのように見えながら、シリコン系が
入っているのかなと思う、有名どころの高価なものをつけるか。

その選択を考えていて、速く効くというものには、良いだけではない面も
入っていることもあるなと思っていたのでした。

そもそも、コンディショナーについて考えていたのは、たまに使おうと買った
ヘアアイロンが、やはり使うと髪の毛もうまくまとまるため、
つい毎日使っていたら、ブラシを入れると絡まるようになり、
カサカサと乾燥して来たのを感じ、

これも、

「簡単にきれいになる」のだけれど、「髪の毛を痛める」という、
副作用的なものがあるのを感じたということなのでした。

目先の都合、魅力だけを見て決めるのではなく、
同時に、長期的視点や根本を大事に守るものを、
しっかり考えないといけないなと思いました。

人生での基本

どんな時も、基本としては、

・土台をしっかりさせてくれるのか?(土壌)

・増えすぎて負担になっていないか?(雑草抜き)

・方向性は合っているか?(剪定)

 

こんな点を大事にして、着実に進むのが良いのだと思います。

お花の英知を参考に、自分の人生のステージ、フォーカスしたいことをちゃんと見ながら、
人生のそれぞれの風景を楽しみつつ、歩んでゆけたら良いなと思います。

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